ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

ウマアプリ

アニメは真っ当に面白かった(いまやってるシーズン2はよりストイックな内容でさらに面白い)し、配信延期延期延期!! の天丼芸にもほっこりさせてもらったのでサプチケ数回分くらいは付き合うかと思ってインストール。

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EDEN……



はっきり言って舐めてた。炎上案件特有のグダグダさえ期待し、アニメ一作目こそがフロックだったのではという邪推すら持ち合わせていた私の邪悪な精神を蹴り飛ばす出来と言っていい。真正面からパワプロサクセスのクローンめいたものを作りつつもガワの部分の作り込みが圧倒的。

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サクセスだ。文句あっか! とでも言わんばかりの清々しいパラ表示。一方でパラメータの名称や効果は本家ほど明快ではなく、どのパラメータがレース中にどういう効果をもたらすのかは現時点では全員が試行錯誤しているものと思われる

このゲームで一番面白いところは4角曲がってラストスパートで自ウマ娘含めたみんながスキル発動してグングン伸びてくるところなので、ここの演出がきちんとしているのはとても良い。競馬中継のカメラワークを意識しつつもそれにとらわれず上空や追走カメラも入れてくるし、ウマ娘だから表情の変化が入れられるのをいいことにアップのカットが差し込まれるのが独自性ありますね。

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競馬ゲームではあまり見ないタイプの演出。モデルやモーションが非常に高品質なこともあって実に映える。

レースシーンは最初期に出てきたゲームシーン付きのトレイラーが(開発中も開発中である時期の画面であることは重々承知の上で)壊滅的と言わざるを得ない内容であったことを考えると、この長期の配信延期を無駄に過ごしたわけではなかったのだなと実感する。この頃はレース中接触のリアクションなんかも模索されてたんですね。



サクセス中は漫然と3年間育成して終わりではなく、次回皐月賞3着以内とか次回有馬記念で1着といった育成目標という名目の足切りラインがシナリオ中に存在しており、未達成の場合はその時点で育成が打ち切られてしまう。なので長く育成してパラメータを上げるには育成目標と、それに向けたスケジュールをしっかり意識したトレーニングが必要になってくる。
育成目標と連動して各ウマ娘を掘り下げるシナリオが展開され、キャラによっては分岐までするという凝りよう。シナリオ内容もキャラを掘り下げつつ「史実」を掘れるキャラには可能な限りぶち込んであり、育成目標レースは概ねモチーフ馬の馬生の印象的な部分からピックアップされているし、ライスシャワーシナリオは「史実」どおり特例で宝塚記念が京都開催になる。
ゲーム的な要素とキャラの掘り下げと歴戦の競馬場おじさん向け要素ががっちりギアリングしていて隙が少ない。こういうところは本当にしっかりしていますね。
育成後のキャラは他プレイヤーとの対戦に使用される。育成完了後はパラメータやスキルの取得状況に応じてスコアがつくので、育成をぐるぐる周回してスコアを高めていくのがこのゲームのメインコンテンツである。

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ゲームの中ならウララちゃんは中央で走るし砂の女王にもなれる。彼女の場合は中央での史実がないわけだが、育成目標というシステムと組み合わせて「客寄せのためにレースを走る」というような背景は再現しようとしている意図がうかがえて面白い。シナリオも敗北系王道スポ根路線で泣かせにくる。


んでゲームとしては相当な盆栽ゲー。競馬題材ということもあってプレイヤーはレースに一切介入できずに本当に見てるだけ。枠順・出遅れ・展開のアヤや他キャラのデバフのノリ具合といった不確定要素が多いため1番人気でもこぼすし8番人気でも展開次第で全然勝つ。じゃあステータスの純度を上げるしか無いね……となるんだけど、通常の競馬でいう配合の部分をこのゲームは「育成済キャラを2体選んで能力値の一部を受け継ぐ」と、想いの継承というフレーバーでクリアしている。育成完了後のキャラに能力や良スキルの因子が残るかどうか、受け継いだキャラがスキルの取得できるようになるかはランダムなので相当な試行回数を要求されるだろう。
育成前のキャラの基礎スキルや基礎ステータスが伸ばせる要素もそれぞれ別にあるわけだけどどちらも要求される素材がかなり重く(個別のGIレース制覇で1本もらえる素材x15とか要求してくる)、100人以上のウマ娘を有馬で散らせることになるだろう。


ゲームの難度もなかなか高く、このゲームは「どのパラメータを上げるとどういうふうに作用してどうレースで勝ちやすくなるか」という説明が、おそらくは意図的にゲーム中から排除されているので、コツがわからないうちは中距離~長距離の適正を持つウマ娘は育成目標の完走すら困難。ちょうどアニメ版でメインとなるエピソードが扱われており注目度が高かったライスシャワーの育成などは間違いなく最難関クラス。ここから仕様が解析されてパラメータの方向性が確立されていくと難度は下がってくるのだと思うが、最初は初期メンバーに入っているサクラバクシンオーの育成から入るのが良いのではないだろうか。短距離Aかつ逃げ脚質Aということで、スピードをひたすら伸ばし続けるだけで短距離の芝レースを総なめしてくれる。スピードはどのタイプを育てるにもある程度必須になる根幹ステータスなので、スピード因子持ちのサクラバクシンオーを量産してから他キャラの育成に持っていくのが良いだろう。

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国内スプリント路線の開祖とも言える偉大なスターホースをモチーフに持つだけに、とにかくスピードだけトレーニングして作戦を逃げに変更すれば、スタミナが切れる前にレースが終わる理論で他キャラをぶっちぎってくれて、展開に恵まれれば最終戦まで本当にそれだけで勝てる。これがバクシン教である。出遅れとかで馬群に飲まれるとまず復活できないのはご愛嬌。ゲーム開始直後はこの娘のスピード因子を他キャラ育成の礎にするのが良いのではないだろうか。

逆に短距離系以外のキャラの育成は何度が跳ね上がり、これといった方針がまだつかめていないのが現状だ。差し・追込ならスピードよりもスタミナと根性が重視されるとか、スキルの発動率と展開を良い方に倒すための賢さも重要になってくるとか、いろいろ検討はしているのだが、なにせスタミナ消費が重く、1ゲームも長いのであれこれ試すところまで行けていない。


珍しく画像を連打してまで日記に書いてしまう程度には面白いゲームで、サイゲの底力を見せつけられた形だ。ここ数ヶ月ほどスマホ向けゲームは人を舐め腐ったUIのゲームしか遊べていなかったのもあるが、メニューアイコンの配置と当たり判定が比較的マトモというだけでも相当な安心感がある。間違いなくここ数日間iPhoneのバッテリーを最も奪っているアプリであり、この付き合いが長く続くことを願っている。