スマホ版ソリティ馬が先ごろサービス終了時刻を迎え、その短い生涯を終えた。正式サービス開始が2014/11/26だからサービス稼働期間は約13ヶ月。サービスの終了告知が今年の10月だったので、考え方によっては平穏に一周年すら迎えられなかったということになる。
私は3DS版はAUTOMATONでも何度か取り上げさせてもらう程度に高く評価しており、このスマホ版もサービスインと同時に遊び……そしてすぐに遊ばなくなった。そのあたりの顛末は以前書いた。
10月のサービス終了告知以来、またちょいちょいゲームを起動してはいたのだが、いざサービス終了当日を迎えた私の胸に去来したのは「ソリティ馬ほどのゲーム内容でもF2Pの世界では行きていけないのか」という寂しさではなく「ソリティ馬をそのままF2Pにしてもしゃーないわな」という諦めだ。ソリティ馬はF2Pゲームになりきることは出来なかったのだ。
いや、そもそもF2Pがどうのソリティ馬がどうの以前の話として、サービス開始当初のクライアントの不出来については触れておかなければならない。私が遊んでいたのはiOS版だったが、はっきり言ってサービスイン当初のソリティ馬はゲームクライアントとしての出来が悪かった。開始当日にサーバが少々不安定だったのには目を瞑るとしても、画像ファイルがリンク切れしていてヘルプが見られない、マニュアルの画像がスクロールできないのでチュートリアルが参照できないといったミスが非常に多かった。
そして――なによりアプリがよく落ちた。落ちるとしたらたいてい直線モードへの画面切り替え時だったので、最終コーナーが終わってから画面が切り替わるまでの間の異常なスリリングさをよく覚えている。レース中にアプリが落ちると敗北扱いで救済なしという重いペナルティを正当化するには、クライアントがあまりにも落ちすぎた。
運営方針も正直グダグダに陥っているように感じた。過去の記事では「このゲームのどこにリアルマネーを支払わせたいのか見えてこない」と書いていたのだが、結局運営側から提示された手っ取り早い課金導線は「能力値の高いオリジナル馬を有料販売」というなんとも短絡的な代物で、これには大変失望させられた。この有料販売馬が難易度の低下を実感できる程度には強かったのもいただけない。勿論そのためだけにお金を支払わせるようなキャラが弱くて許されるはずはないので、この調整自体は間違いではないのだが、納得はできなかったのだ。私はこんどこそソリティ馬を起動しなくなり、結局その興味はサービスの終了告知が出るまで戻ることはなかった。
約10ヶ月ぶりに起動したスマホ版ソリティ馬は、しかし以前抱いた感想と殆ど変わらない世界を私に見せつけてくれた。特に何かテコ入れを図った形跡もなく、次走の選択肢が出たときにレースの分岐チャートを確認できないというクソUI(このせいで限定イベントの出走条件は事前に暗記しておく必要がある)もそのまま。相変わらずリアルマネーは何に使えば楽しくなるのかわからない。一本の完結したゲームにも、F2Pでプレイヤーに支えてもらうゲームにもなりきれないソリティ馬というアプリケーションが横たわっているだけだった。
本作はゲームフリークにとって初のF2Pゲームの運営経験であった。そんな運営がF2P特有の地雷を順番に踏み抜いて言った結果ソリティ馬が巻き添えになって死んだ感が強いのでいたたまれない気持ちになるが、一方で運営側がスマホ版ソリティ馬をどのように運営していきたかったのかが今もって見えてこないので、この結果は当然であり、そして必要な犠牲であったのだろう。恐らくはゲームフリークにとって苦いであろう本作の経験が、次回作以降に活かされることを願ってやまない。
本日15時をもちまして「ソリティ馬」スマホ版のサービスが終了となります。沢山の人に遊んで頂き本当にありがとうございました!ソリティ馬というコンテンツは今後も大切にして行きたいと思います。3DS版のソリティ馬はニンテンドーeショップで販売中です。引き続きどうぞよろしくお願い致します
— ソリ千葉くん (@gf_solichiba) 2015, 12月 21
……スマホでも3DSでも何でもいいけど、スマホ版の要素を取り込んだスタンドアロン版ソリティ馬を何かのプラットフォームで出してくれてもいいのよ?