ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

イカちゃんの話をした

Splatoonのレビュー記事が載りました。よろしければお読みください。


jp.automaton.am


あまりにもゲームのアップデートのペースが早かったため、レビューにどこまで盛り込むかの線がなかなか切れず、発売から1ヶ月以上経っての原稿になってしまった。岩田氏の訃報とタイミングが重なってしまったのは私の遅筆の致すところで全くの偶然である。
遅れた分、本作の「敷居の低さ」によりフォーカスしてみたので、Twitterコメントなどで感想をいただけると幸い。自分としてはTF2との類似性にも触れることが出来たので良かったと思っている。


とにかくゲームプレイの完成度が非常に高く、煩わしい実績アンロックもなく、純粋に対戦に楽しく没頭することができ、トリガーハッピー大歓迎という他に替えがきかない要素まで持ち合わせた稀有なゲームで、文句なく現時点での2015年ナンバーワンタイトルである。
シューター人間としては今年後半の『RainbowSix:SIEGE』も大変楽しみにしているが、評価の高低こそあれイカちゃんの独自性が失われることは当面の間ないだろう。「任天堂が本気でTPSを作ったらこうなる」という底力を見た思いで、これからもよろしくイカちゃんと言いたい。

正直なところ言葉が出てこない

朝、いつもの通勤電車で、ぼんやりとTwitterのTLを眺めていたら突如飛び込んできたのがこのツイートだった。



眠気が吹っ飛んだ。面識すら無い人物の訃報でここまでショックを受けるのは久しぶりのことだ。


それでも悲しみとか辛さとかはあまり無く、今の私にあるのは寂しさだ。そもそも私のようないちゲーマーからすれば氏は任天堂の社長であり、露出が多く、プロモーションで茶番にも進んで乗り、やたら弁が立つ、恰幅の良いおじさんでしかない。直接言葉をかわしたこともなければ、面識もない。何度かイベントで直接見かけたことがあるだけだ。


しかし「社長が訊く」などで時折垣間見せる知性とマニアっぽさ、「ニンテンドーダイレクト」の動いて喋る御本人からにじみ出る人柄の良さや「トゥイッター」に始まる英単語の発音などが、良くも悪くも任天堂の顔であり象徴であり、そして身近に感じる岩田聡氏個人の存在であったのだ。


エンジニアとして様々な逸話を持ち、任天堂の現社長であり、現代のビデオゲームを代表する一人であるところの氏がこの世を去ったことの影響はもちろん少なくないだろう。だがそれ以前に、岩田聡という人物がもう見られないこと、その人柄に触れる機会がもう永遠にやってこないことが、私にはとても寂しい。


岩田聡氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
本当にお疲れ様でした。

『Her Story』やった。

何気なく購入したらこれが大変なクリーンヒットで、このゲームのネタバレがネット上に浸透する前にと大急ぎで書いて載せてもらったレビューがこちら。

jp.automaton.am


大急ぎで書いたと言いつつ発売から10日、クリアから6日かかっていて申し訳ない限り。しかも最初は「全編英語が苦にならないとか、テキスト直接入力のADVと聞いてピンとくるなら何も考えずにとっとと買え(大意)」とだけ書いて編集部に送りつけようとかなり本気で考えていた。何を言ってもネタバレになってしまう性質のタイトルであるが、極力内容をスポイルせぬように書いたつもりなので、興味を持たれたなら是非触ってみて欲しい。


製作者のSam Barlowという人物、レビューの本文中にも触れたとおり『サイレントヒル シャッタードメモリーズ』や『サイレントヒル ゼロ』のシナリオを手がけた人物なのだが、氏がサイレントヒルで描こうとしたシナリオと『Aisle』で試みたゲーム表現が『Her Story』で結びついた感じで、おそらくこれが氏の目指したところだったのだろうな、と思わせる出来だった。


ありがとう『Her Story』楽しかったよ。

Wrong Numberとは何だったのか

jp.automaton.am


久々に寄稿。よろしければお読みください。


上の記事を書くためにMiami2をリプレイしていて「結局Wrong Numberとは何の事だったのか」と最終面のOPデモを見ている時にふと思った。
そんなもんThe Sonが最後にかけた電話のことに決まっとるやんけ、となるだろうし私もそう思っていたのだが、考えてみればThe SonはHenchmanの携帯電話にかけようとして実際に繋がっていて、別に間違い電話をかけたわけではない。ただ電話の向こうがHenchmanでは無かっただけだ。
これってFail(失敗)ではあるけどWrong Number(間違い電話)ではないよなあ、となってしまってクリア当初の解釈に自信が持てなくなってしまった。


単に「Wrong Number」という単語の指し示す範囲が私が考えるよりも広いというだけなのかもしれないし、Miami2はオチがオチだけに考察熱もいまいち高まらないので、じゃあ結局何の事だったのか、ということはあまり深く考えずにこのエントリも終わるのである。いやあ、Miami2は広かった。私の手には広すぎた。

ニンジャが出てこr……ん、んん?

  • ゴシックは魔法乙女

f:id:UnFreeMan:20150421011536p:plain
とりあえずこのくらいまで遊んでみた。


一昨年「ドンパッチン」が出てきた時は本当にCAVE終わったと思っていて、このゲームの初報が出てきた時もまだやんのか程度にしか思ってなかったが、あのドンパッチンの後で、なおかつベースシステムはドンパッチンのままということを差し引いてもかなり遊べる出来になっていてちょっと驚いた。
敵に接近するゲームなのに各種エフェクトより敵本体の描画優先度が下なので知らないと激突死するとか、UIが相変わらずクソとか、ステージ終了後のリザルトボイスが飛ばせなくてクソとか欠点もたくさんあるけど、まあそのへんは追々直っていくんでしょう。ソシャゲだし。
被弾後の無敵時間が厳しすぎるのも何とかして欲しい。

移植担当が『ドンキーコングリターンズ3D』のMonster Gamesと聞いて正直かなり不安で、実際『DKR3D』同様フォントが見づらいみたいな問題は引き継いだもののかなり頑張った移植でこれまたびっくり。DKR3Dもこれくらいのクオリティで出てればなあ。
New3DSに移植するにあたってかなり手が入れられているものの、ゲームプレイ的にはほぼ遜色のない内容になっているほか、Wii版のネックだったこまごました読み込み時間がかなり改善されていて遊びやすくなっているのでゼノブレ未体験の人にはぜひとも触っていただきたく。ただしZLは押しづらい。
根性移植フェチ的にも「遠景表現の変更」「キャラクターモデルがまるまるデチューン」「エフェクトの微妙な簡略化」など見どころ満載で、単純な移植作業ではなかったことがそこかしこから感じられて、こういうのが見たい私にはピッタリの内容だった。

  • ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン

ch.nicovideo.jp


配信開始当日に会社に泊まりだったので生放送が観られなかった境遇がかなり呪わしかったのだが、観られなくてよかったのかもしれない。多様性だとか予想を裏切る裏切らないだとか以前の問題として「騙された感」が強い。深夜の15分枠とかで流すならギリギリ成立するラインの与太アニメというのが1話見ての感想。もし終盤のブリッジ回避のシーケンスがなかったら、今頃私は「15分間タルピー観てた方がマシだった」とツイートしていたことだろう。あの数秒間にだけは製作陣のカラテを感じた。

これまでも忍殺公式は予想も期待も裏切るのが大好きで、思い返せば忍殺公式が「読者のために」何かをしたことはなかったしこれからもすることはおそらく無いのだが、それでもこういう「騙し方」はしてこないと私は勝手に思っていた。甘かった。相手はあのほんやくチームだった。ブーブスのノリでアニメをやるなど造作も無いことだった。

確かにキービジュアルの公開からPV公開、そしてキャラクターデザインの公開で明らかになった変貌の過程を考えると、こういう内容であることを予想する材料はゼロではなかった。私はアニメはこうあるべきだなどと大それたことを言うつもりはないし、そんな権利はない。しかし「全力で超者ライディーンのパロディをやるニンジャスレイヤー」など観たくはなかったことだけは確かなのだ。だから2話以降は当面のあいだ観ないし、以降この事についてコメントはしない。必要なのは冷却期間だ。