ゲーム以外で観たりしたものをつらつらと。けものフレンズに感化されて今年は興味を持ったアニメはできるだけ観るようにしていたので基本アニメ感想。ゲームのは後日恒例のあれをやります。
- ポプテピピックアニメ
観たあとに何も残らないという点においては完璧なエンターテイメントだった。各回で何のパロをしていたかは思い出せるけどネコカンがどんな話作りをしていたかは一切思い出せないし、それで良いアニメだと思う。神谷明と小山茉美の演技が聴けただけで満足です。
ポリゴン・ピクチュアズでも外すときはこんなに盛大に外すのかと唸らざるを得なかった案件。シドニアやBLAME!は良い仕事を見せてもらったと思っているのでショックが大きい。絵や動きが安っぽく見えてしまう……意図的にコマ抜いてるのはわかるんだけど、変なところで1コマになったりエフェクトは常時流れていたりするので酔う。
拳志郎も原作無印の絶対強者をそのままリメイク出来ない事情は理解するが勝つのも負けるのもちょっとふんわりしすぎじゃないですかという違和感が。面白おかしく爆死するザコというコメディも使えないので話もずっと重苦しい……
生物としての馬が存在しないというどう考えても無理のある設定はともかく、史実ネタやモデルの競走馬エピソード再現を中心にしつつ、美少女スポ根にきちんと落とし込んでいて思った以上に楽しめた。このアニメはニコニコあたりで競馬場おじさんの薀蓄コメと一緒に見るのが正解だったと思います。
実在のナマものを扱ってるだけに調整大変だったんだろうなあと思うところもそこかしこにあって涙を誘った。ところでゲームの方は……
- ジョジョ5部アニメ
ティーザーとかキービジュアルで「こんな絵で動かせるわけ無いやろスタッフ死ぬで」と思ってたけど今のところこのクオリティのまま動いているので本当にすごい……荒木飛呂彦の絵が動いて喋るという観点ではぶっちぎりの出来だと思う。作画もこれ書いてる時点ではあまり荒れてないし……ただジョジョはセリフそのまま音声にするとテンポが悪すぎるが、かと言って安易にセリフをカットできないというジレンマは抱えていて苦労が伺える
5部は4部以上に映像化が難しいスタンドが多くて、ズッケェロ戦はものすごい苦労をしてわかりやすくする努力をしていたけどこのあとメタリカ居るんだよね……キングクリムゾンもどうやって表現するんだろう オールスターバトルもキンクリは表現が今一歩だった。
- SSSS.GRIDMAN
あれほどひどい裏切られ方をしたアニメイシヨンのトリガー&雨宮コンビなのに、1話2話の出来が良かったから夢を見てしまったのがいけなかった。警戒してしばらくリアタイ視聴をしなかった意思を保ち続けるべきだった。3話で派手に滑ったところとか、相変わらず無意味な他作品パロを差し込んできやがるなあとか思ってたけど我慢してしまった。グリッドマンであのエヴァ構図とかやる必要あった? トランスフォーマーネタ仕込む必要あった??
そしてそんな夢も最終3話で見事に砕け散るのであった。これ9話~10話か10話~11話の間に多分1クール分の話数がごっそり抜け落ちてるんだと思う。いきなり定命の者の力とかセリフで言われても笑っちゃうだけだからやめて欲しい。内海くんもなにかしてくれると思ってたのに最後まで蚊帳の外のままだし。裕太が自我まで含めてグリッドマンだったのなら例えば1話の「俺を呼んだよな」みたいなセリフの熱が全部どっか行っちゃうんですがそれは……
アレクシスさんも唐突にアカネちゃんを取り込んで自己紹介と説明台詞と負ける準備を頑張りだすしなんか……ほんとなんか……7話くらいまでは面白かったしキャラとか見どころはたくさんあるだけシヨンよりは遥かにマシなんだけれども……オーイシマサヨシのOPとEDはとてもよかったですね
癒やし枠。余計なことせずに原作の空気の再現に努めてくれていて本当に良かった。
神風動画のモデリングと音響と高木渉ジョーカーにだけ価値のある映画……というのは言いすぎだけど基本的に不満は脚本に集中する。なんかスカそうとして全部滑っている……バッツの映画は基本的に暗くなるから俺達は東映まんがまつり路線で行こうぜみたいな着眼点は良かったと思うんだけど、なにせ巨大ロボットが出てくて殴るみたいな展開は原作でもやってるし……高木渉ジョーカーは本当に良かった。青野武ジョーカーの路線でありながら、それとはまた異なるユーモラスさと狂気を見事に演じておられた。このジョーカーの出る作品が今後作られて欲しい。
- アニゴジ
ブッさんが手癖でなんとか「ゴジラみたいな話」まで持っていったパニック映画だと思った。人類がゴジラという現象に立ち向かい、抗い、そして完全敗北する物語。インタビューとかを読む限り怪獣プロレスは「やらせてもらえなかった」ということなので苦労は偲ばれるが……
画面づくりもなんか常時雑で、特に3作目はゴジラでかい……のか? とか会話ばっかりのぼんやりした場面がずっと続くし、動かないギドラは負けオーラがすごかった。文明批判の文脈もノルマなのでやりましたというぶっきらぼうさで「これは何を見せられてるんだろうなあ」と劇場でずっと考えていた。どうやっても絶望、何をやっても裏目という暗く重い脚本はブッさんの確かな芸風なのだけれど、アニゴジはそれ一辺倒だからストーリーの上げ下げのタイミングがなんとなく察せてしまうのも良くなかった。
- 鮫島絶筆
訃報 佐藤タカヒロ先生 | 秋田書店
アニメじゃないけど本当にショックだったので。
重ね重ね、本当に残念で仕方がない。最後の取組が主要登場人物の中では一番最初に鮫島と相撲をとった猛虎で、その長い因縁の決着が描かれつつラスボスとの割が発表された最終ページで永遠の中断というのは本当に出来すぎだと思う。悪人はほぼいなくなって、あとはラストに向けて加速していくのみでストーリー的にも最高に盛り上がった状態だったのに……
鮫島が泡影に勝利したあと千秋楽で天鳳に敗北するか、鮫島が泡影に敗北したあと千秋楽で天鳳に勝ち、その場合泡影が猛虎あたりに負けて優勝決定戦という流れだったのだと予想していたが、その答え合わせができる日はもはや永遠に訪れない。
作者の卓越した漫画力こそが鮫島の重要な要素だったので、たとえプロットがあるにしても引き継いで誰か別の人が描くのではあまり意味を感じられないのも辛いところだ。いや本当、本当に今脂が乗り切った漫画だったんですよ。今最高に盛り上がってるところだったんですよ。ただただ残念。