ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

インフィニットループ

5時間ほどでクリア。ギャラリー全開・キャンドル全点灯。

システムもインターフェイスもチュートリアルを兼ねたプロローグも本当に素晴らしいのだが
肝心の本編の脚本がもうgdgd極まる出来という何とも正当派なバーボンゲーでございました。


どんなゲームかと申しますと、プレイヤーは突如現れた謎の死神により死亡して幽霊になってしまった主人公となり
主人公亡き後、登場人物に襲い掛かる悲劇をその人物に憑依して情報を集めながら
「自分の死亡直後の時間まで戻れる(戻される)」
「日中の時間で入手したキーワードを元に登場人物の夢に介入」
という2つの能力を使用して登場人物の行動を変更し、事件を解決して行くタイムテーブル管理式ADVとなっております。

主人公に出来ることは誰かに憑依して行動を共にし、
憑依している人物の会話からキーワードをGET。
そして夜間、憑依している人物にキーワードから夢を見させる。ただこれだけ。
物を動かしてみて周囲に存在を気付かせるだとか声はすれども姿は見えずだとかいう
幽霊映画的なアレコレは一切ありません。

登場人物に与える適切なキーワードへのヒントが少なく、また
「憑依人物を変更できるのは憑依人物が他の人物と会話中、その相手のみ」
というルールがあるため、「どの人物がどの時間誰と会話するか」を広い範囲で把握しなければなりません。
このためADV的な難易度の面では少々歯ごたえがありますが、システムとしてタイムテーブル表示機能を搭載しており、
夢の暗示による行動分岐まで視覚的に表示してくれるため、相対的に適度な難易度になっているかと思います。


賞賛すべきは「ゲーム内の登場人物は、ゲームに設定された大部分の時間帯において行動描写が用意されている」という点でしょうか。
「キューリパックをしているメイドさんA」とか隠れフェチ属性を持つ意外な方とか
本筋となんら関係の無い描写・サブイベントがかなり豊富に用意されています。
入浴シーンもあるよ!!
前述の通り、かなり親切なシステム設計がされているのも項ポイント。あんまりロードも無いです。


惜しむらくはシステム構築とサブイベントのネタ出しで力尽きてしまったのか
肝心の本編のシナリオが正直かなりアレだというところ。
物語を進めるうえで必ず疑問に思う点(主人公自身も何度か口にする)の大半は投げっぱなしで終了し、
物語そのものも終盤に行けば行くほどご都合臭が漂ってきてしまう。
雨格子の館」とかテキスト主体のADVは手法がこなれる程度に作ってきている日本一ソフトウェアなのに……


結論

単なるフラグの立てあいに終わらない魅力はあるが、本編シナリオがそれを生かしきれてない惜しいバーボン。
というわけで「街」や「LOST COLORS」にピンとくるあなたにオススメ。