ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

『GhostWire:Tokyo』やった

このままだと今年は新作を一切遊ばずに干からびることになると危機感を抱いたので。
これに関しては突如Steamギフトとして投げ込まれたブツであり遊ぶのが課題であったという面もある。



FPSだのステルスアクションだのと言った要素はまあオマケ程度で、人間の消えた渋谷を舞台にしたバディアドベンチャーだと思って楽しむのが吉だと思った。
世界観は本当によくできていて渋谷の渋谷っぽさは良く出ているし、そこになぜか日本の伝統妖怪が闊歩しているというオカルト要素があんまり浮かずに混ざっているのは良い。
こんなに大真面目にきさらぎ駅ネタを作りこむゲームなんてもう二度と出てこないだろう。伝統妖怪とか都市伝説への憧憬がそこかしこに感じられて良い。

オカルトを題材にしつつ演出がホラーに寄りすぎないのもなかなかユニークで、主人公が法術を使ったり結界を解く印を結んだりという動作はやたらとスタイリッシュでかっこいい。オカルトアクションの主人公たるもの法術連射はビッと揃えた人差し指と中指を振り回さなければならないのだ。

反面シューター要素とか探索要素はどうにも薄味。敵の種類がそんなに多くないのでバトルは飽きが早いし、探索要素はとにかくマップを隅々まで見てもらうという以上の意図が残念ながら感じられない。
サブクエストに関しても同様で演出こそユニークだがやること自体はどっか行って終わりとか、どっか行ったら中ボス雑魚が出てきて倒して終わりとかが大半なので後半はやはりつらい。
フレーバーテキストが読める古物収集やKK調査ファイル収集はまだともかく、幽霊収集は100%やろうとすると拷問になるだろう。

お話も「怪異に見舞われた渋谷の一晩の物語」であるからかかなり駆け足で余白が多い。
これはある程度は意図してやっていると思われ、口も態度も悪いが声が良い主人公の相棒キャラの素性や仲間たちとの過去なんかも本編につながる最低限の情報だけしか開示されない。
意図は理解するんだけどやっぱりモヤモヤは残るというか、最後なんかいい感じで終わったけど主人公は命拾いしただけで概ね全部失ってるし、家族をどうやって探すのという疑問が……

世界観と雰囲気だけで遊ばせるパワーを持った作品ではあるし、ストーリー一周と飽きるまでサブクエ埋めするだけで結構な時間楽しめるとは思う。
今から遊ぶ人がいたら「スキルツリーは天狗を召喚するスキルを目指すところから」ということだけ覚えて帰ってください。これがないと探索も移動もかなりダルいので……