キャラ・背景設定・テキストについては言うこと無い。よくぞここまでというレベルの出来。コーエーテクモの底力を感じる。シナリオも中盤過ぎたあたりまでは95点あげられる。最後ちょっと失速する。
反面、バトルは控えめに言ってもお粗末。単純にマップの出来が良くない。生徒の育成方針がかなり自由で、言い方を変えればどのような育成方針のプレイヤーでも突破できるようにしなければならず、そこがマップ攻略の起伏の無さにつながってしまっていると思う。
扱う題材が似てるし、if暗夜を正反対にしたらこうなりましたみたいな……全体として「戦記物っぽいヒロイックファンタジー」としては現状これ以上は望むべくもないものが出てきたと思う。
悪い意味でなくキャラゲーとしては傑出している。
あとはまだ全ルートやってないので箇条書き
- テキストに関しては蒼炎の軌跡以来の傑作疑いない。誇張抜きで現時点でのシリーズ最高傑作まである。直近の本編が覚醒・ifとテキスト的には悲惨としか言い様のない出来栄えであったことを鑑みると驚異的な盛り返し。
- ただしテキストは良いが大元のシナリオはそこまで良くはない(悪くもない)。良くはないと言っても中盤まではかなり良い。ただ終盤でいきなり駆け足になってまとめきれなくなってるのが残念すぎる。開発時間切れなのか。最後までテキストのテンションは高いのですごくもったいない。
- 学園パート、正直どうかなと思ったけどここののどかな描写がないと戦争編がまるで活きないので痛し痒し。従来形式だとキャラクターの"平時"の表現が難しい(幕間や支援会話では限界がある)ので、学園パートがキャラの奥行きを演出しているのは間違いない。
- 必要な要素であるのはわかったから探索はもうちょっと面倒くさくないようにして欲しかった……学園パートは前半だけにして第二部はいつもの形式でよかったんじゃ……とも思う
- キャラと背景設定についてはかなり良く出来てると思う。キャラの言動や名簿の設定に一貫性があり、概ね(道理という意味でなく)筋が通っているので振る舞いに説得力がある。とくに言動については相当に気を使ったと思われる。
- お茶会会話や食事会話でしか出ないセリフや設定もあり、さらに支援レベルが特定のタイミング(何かしらの理由で仲違いするレベル等)でないと出ないセリフとか、キャラクターに対する作りこみが他と一線を画する。
- 「他クラス(他国)のキャラを自クラスに引き抜くとそのキャラは事実上出奔した形になり第二部でも自軍で従軍する」だけならまだしも「引抜後に祖国のキャラと戦わせると組み合わせによっては特殊セリフまである」というのは狂気……
- なにが狂気って引き抜きから元級友と殺し合わせる悲劇の過程をすべてプレイヤーが握っていること。スパロボで仲間にしたトッドがドレイクに一喝、みたいなのとはまたちょっと違う生々しさがある。
- バトルは大味。マップがいまいちで使い回しも多め。使い回しといえばモーションももう少し頑張って欲しかった。
- 現状マップ攻略を楽しもうと思ったらまず騎士団を封印するところからかなあ。それぐらい簡単。後日配信のルナティック難度はもうちょっとバチバチの歯ごたえを期待したいが……ここで急かすと覚醒ルナプラみたいなゴミが投げつけられる気がするのできちんと調整してほしい
- 暗夜がシナリオはクソながらマップ攻略は傑作の領域に至っていたのとはいろいろと対照的ではある……
- 騎士団システムで軍勢感はすごく出るようになったので、この方面をもう少し深く掘ってみてほしい。雑兵のドラマ。
あとは難度ルナティック待ちで。
ファイアーエムブレム 風花雪月 -Switch (『TCGファイアーエムブレム0』限定カード「士官学校の新任教師ベレト」 同梱)
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2019/07/26
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る