ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

FF13日記 最終回

さんざんtwitterでせっつかれたのでとうとう逃げることを諦めた最終回。
今回はもちろん最終13章のお話。


いつものようにまずはシステム面から語りますが、さすがにここまで来ると戦闘難易度は頂点……というのは違うな。
戦闘にかかる時間が頂点に達しており、スムーズな進行は困難を極めます。
とにかく敵が硬い! しかもこっちは「開幕でリーダーに特殊攻撃が集中したら即死」という危険を常にはらんでおり
リトライにかかるイライラも頂点に達している状況。
これでコンティニューにかかるロード時間がもうほんのちょっとでも長かったら
エンディング目前にしてディスクを土鍋に放り込んでる勢い。


たしかにこの「ガチムチ+超火力」の敵パーティを、寄せ集めのルシ連中が撃破していくのは容易ならざる話であり、
辛めの戦闘バランスにすることでストーリーに説得力をもたせているんだというポジティブな解釈も成り立つかなと思うんですが
すいませんラスボス直前の敵は最後のスニークスモークでスルーしました、アイツら無理だよ。


ただまあ、開幕さえ乗り切れば後は定型パターンにはめて殺せるし
最後の手段「ヒーラー+ヒーラー+アタッカー」という絶対死なないけどザコ戦が一時間超えるロールでの戦闘という切り札があるので
ラスボスはまあなんとかなるんじゃないのとか思ってましたが
ラスボス戦は常時死の宣告という強引な手段でこの解法を封じていることにウチは一瞬呆然としてしまいました
いや、そういうことじゃなくてね……


以下、エンディング含むストーリーネタバレ注意。
適宜ツッコミ。

艱難辛苦(戦闘難易度的な意味で)を乗り越え、ついに元凶・バルトアンデルスと対面するルシ一行。
セラとドッジのクリスタルを破壊するという幻を見せ、ルシたちの混乱をまねこうとするバルトアンデルス
だがさすがに、今更そんな幻影に驚くようなルシ一行ではなかった。バルトアンデルスとの最終決戦が始まる。


バルトアンデルスを見事撃破した一行であったが、脇から謎のファルシが現れる。
それこそがコクーンの源にして全てを司るファルシ「オーファン」であった。
いきり立つ一行を軽く一蹴すると、オーファンはラグナロクを発動させるべく、
ヴァニラにたいして不可避の苦痛を与え始める。
コクーンを用いて人間を育み、いつか源とも呼べる自分をも討ち果たし、繭を破って地に墜とす者の出現を待つ。
そして今、ラグナロクをその身に宿す人物―――ファングが現れた。
オーファンは囁く。仲間を苦痛から救いたければラグナロクと化せ、
今こそルシとしての使命を果たせ―――


覚悟を決めたファングは、自分がラグナロクとなってオーファンを倒し、世界を滅ぼすと告げる。


……えっ?


ヴァニラは解放されたが、ファングは本気であった。ライトニングさんら他のルシに対して槍を向けるばかりか、
制止しようとするヴァニラに対してまで敵意を顕にする。


えっ? えっ?


「家族を守るという誓いがあるからだ!」
11章でお前ヴァニラと家族の絆を確かめたばかりだろ。


「私のルシとしての使命のためだ!」
さっきまでの威勢はどこへいったの?


この唐突な裏切りですが、FF13のパーティは、ファングとヴァニラの過去を共有する者どうしの絆や
スノウとホープの憎しみといったピンポイントでのピックアップはされるんですが
パーティ全体としての纏まりを描く場面が皆無なので、これでヴァニラだけは特別視するとか
ヴァニラに制止されてまた迷うみたいなシーンでもあれば十分納得できそうな場面なんですが
あれほど劇中で他のパーティ置いてけぼりで特別扱いしていたヴァニラに対しても寄らば斬る的なこの仕打ち。
脚本としてこれはどうなの。


そして唐突に訪れる、ファング・ヴァニラ以外のルシのシ骸化。
次々襲いかかるかつての仲間のシ骸の攻撃を、裏切った報いとして受け入れるファング。
その時、ファングのルシの烙印が輝きはじめ、ついにラグナロクが誕生。
オーファンは歓喜と共にラグナロクの凶爪を受け入れようとするが、
ラグナロクはオーファンに手傷を与えただけでファングの姿に戻ってしまった。
それならばと再びヴァニラを苦痛で苛み、ファングを手中に収めるオーファン。
孫悟空の頭の輪か? 彼女は。
逃げろというヴァニラを、「もう逃げないと誓った」と拒絶するファング。
さっきヴァニラに対する苦痛から目を背けるために仲間を裏切ったやつが何か言うとる。
まあ、ここでヴァニラを救えなかったら何のために仲間を裏切ったのかという話になるので別にいいか。


直後、唐突に爆風がオーファンを襲う。空に投げ出されるファング。
それを華麗に受け止めるスノウの姿!


えっ


シ骸になってこれまでのことを思い返していたら、皆が笑って生きているヴィジョンが見えたとスノウは言う。
それがラグナロクにかわる新しいヴィジョンなのかはわからないが、初めて見えたこの未来を希望に戦う、とスノウは続ける。
いつの間にかシ骸から戻っていたほかのパーティメンバーも同意する。


えっ えっ


シ骸から戻れるなんて説明は伏線すら劇中には無かった筈。
いちおう「ルシがシ骸と化すのは絶望に支配されるから」
「シ骸は精神を絶望に苛まれたまま永遠に生き続ける」
というシ骸についての説明はオートクリップで存在したのだが……


まあさっきバルトアンデルスが見せた「クリスタルを破壊する幻」と同様、
ライトニングさんたちがシ骸化したのもオーファンが見せた幻だったんだろう。
でもスノウはシ骸になったって自分で言ってるんだよな。
あるいはスノウ達もまた「シ骸化したという幻」を見せられていたのか。


これまでの奇跡はファルシによって作られた奇跡だったとヴァニラは言う。
都合よく騎兵隊が現れたこと、都合よく監視の目をかいくぐって長い間逃亡し続けられていたこと、
都合よく下界を目にすることができたこと。すべてはバルトアンデルスであり、オーファンのお膳立てだったのだ。
だが、ここからの奇跡は違う。自分たちが、自分たちの力で奇跡を起こすのだ。
そして、オーファンに剣を向けるライトニング。


ん?


応戦体制を取るオーファン。


え?


ちょっと待て。お互い自分の目的を思いだせ。
オーファンが死ぬ=コクーン崩壊=住民全員死亡
という現実が待っているわけだが、お前たちはそれに対するプランを何一つ持たずにここまで来たろ。
お前たちはコクーンを守るためにここまで来たんやで?
コクーンを守る→コクーン住民を守る→コクーン住民を救う→コクーンから住民を解放する→コクーンを破壊する
とか、どっかで思考がねじれて一番右に至ってないか? 目を覚ませ。


そしてオーファン。お前が応戦する理由がどこにある。
ほっといても殺してくれるんだから無抵抗主義でいいだろ。死ねば満願叶うんやで。
まずその七面倒臭い死の宣告をやめろ。話はそれからだ。


そしてオーファンを撃破するルシ一行。
同時にコクーンの爆発崩壊が始まり、「コクーン破壊」というルシとしての使命を成し遂げたライトニングたちは
徐々にクリスタル化が始まっていく。そりゃそうだ。
崩落し、引力にひかれて下界に落ちて行くコクーン。内部では重力維持など、
ファルシのもたらしていたあらゆる機能が解除されているようで、側面側を滑り落ちる人、天井側から落下する人の姿も見える。
次々とパーティがクリスタル化していく中、ヴァニラとファングは二人の意思で突如完全にラグナロク化。
クリスタル化していく自分の体と、ラグナロク化したその巨体を利用し、下界の地面に根ざし、コクーンを落下から支えるクリスタルの大樹となる。


クリスタルと化したライトニングたちに、同じくクリスタルと化したヴァニラが語りかける。
クリスタル化したのは理由を問うスノウ。いや問うまでもないだろ。
オーファンを倒し、コクーンを落としたかららしいと答えるファング。らしいじゃねえよ。そうなんだよ。
それがすなわちコクーンを滅ぼしたことになるのかとサッズが尋ねる。いや、今の一瞬だけで何人死んだかわからんのだぞ?
精神世界で無意味なやり取りをしている間にルシの刻印が消えていることに気付く一行。
次の瞬間、クリスタル化が解け、下界に降り立っている自分に気付く。
いつ降りた。どうやって降りた。なぜクリスタル化が解ける。


クリスタル化が解けること自体はシド・レインズという前例がある。
ライトニング一行を下界に導いた際、使命を果たしたとしてクリスタル化したはずが
バルトアンデルスの傀儡として再び使命を与えられて蘇生し、最終的に騎兵隊の同胞に葬られた。


だが今回はなんの説明もなく唐突に刻印と共にクリスタル化が解除され、気づけばコクーンの外に出ている。
よく見たら生き延びた一般の人達の姿も見える。お前たちもどうやって降りてきたんだよ?
さらに一行の前に現れる、クリスタル化の解けたセラとドッジ。おまえたt(ry
息子との抱擁に涙するサッズ。セラに駆け寄るスノウ。
セラとの結婚を承諾するライトニング。歓喜にふるえるスノウ。
「絶対、幸せにする!」
スタッフロール。


( ゚д゚)


(゚д゚)


どういうことなの……


ルシたちの目的は成った。同時にファルシたちの目的もまた、成った。
冒頭、ライトニング達がルシと化す際の「ラグナロク」のヴィジョン
それこそがクリスタル化するラグナロクがコクーンを支える場面のヴィジョンだったのだから。
そしてそのヴィジョンを見せたのは、誰あろうバルトアンデルスだったのだ。
はじめから定められた使命を変えることは出来なかったのだ。
そして使命を果たしたがためにコクーンは無力化し、
多くの人はコクーン内で死ぬか、コクーンというライフラインのすべてを絶たれた上で
未知の怪物が闊歩する下界に放り出されたのだ。
おそらくは絶望に打ち震えているであろう人々の前で
パーティ1のDQNがさっそうと結婚宣言をしハッピーエンド。流れだすスタッフロール。
いやコレおかしいだろ。脚本。ツッコミが追いつかないよ。どうなってるんだよ。


そもそも説明が圧倒的に不足してるだろ。
ファルシがコクーンなんてものまで創り上げて復活を渇望した「神」というのがなんなのか?
ファルシはなぜ「神」にこだわるのか?
そもそもヴィジョンが正しいとするなら、このあといよいよ神々の降臨が始まるのではないのか?
唐突なんだよ。盛り上がる準備ができてないんだよ。
ここに来ていきなりファングがキーパーソンにされても困るよ!!


下界に降りた人々の心中いかばかりか……というか、これだけなんのフォローもなしにコクーンを破壊したとあっちゃ
状況によってはコクーンを崩壊させ人々の生活をズタズタにしたテロリストとして殺されてもおかしくないだろ今回のパーティは。
この物語の発端は「ルシにされた! →でも死にたくない!」から始まっていて、
骸やクリスタルにならずに済むためにどうするかを模索するという旅の目的は最初から最後まで一貫していて
「コクーンを救う」「人々を救う」という動機の方は非常に描写が薄っぺらで、皆自分のことしか考えてない。
そんな連中が人々をまとめ上げ、下界で生活させていけるとはとても考えることができない。


というわけで、長きに渡ったこのゲームの日記もこれでおしまい。
もう一度、総括的な内容のエントリを書くかもしれないが
発売からすでに2年以上が経過しており、この最終回の内容ですら手垢に塗れ切った内容であることが否定できない以上
これ以上このゲームに対してとやかくいうのもなあ……という胸中。