ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMAGEDDON

EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMAGEDDON


ノーマルクリアしてハード2-3でギブアップ。


ハリウッド版ゴジラのようなコレジャナEDF


従来のEDFはステージ数が多い代わりに各ステージは非常に短く、
シチュエーションを切り取った
ある一場面だけを次々にプレイさせられるわんこそばのようなゲームだった。
敵はひたすらに物量でモリッと攻めてくるし、ロケランをぶっ放せばピギーとかいう断末魔とともに小気味よく吹っ飛んでいった。


IAではその辺のウチが考える「EDFらしさ」という点は全てスポイルされてて、
1ステージが長く、ミッション制になった弊害ばかりが目に付く内容になってしまった。
どうせミッション内容も「目的地に行く→敵殲滅」をただひたすら繰り返すだけなんだから
従来のEDFみたいに移動の部分をばっさりカットして殲滅の部分だけステージとして抽出してやらせてくれればよかったんだよ。
マップも狭くて見えない壁だらけだから決まりきったルートを移動することになるし
移動中に緊急要請で急遽目的地変更! とか突如敵が沸いてきて突破戦! とかの演出上の必然もない。
むしろ1ステージが無駄に長くなったせいでゲームオーバー時の精神的ダメージがかなり上がってる。


敵の湧き方も今までのようにものすごい処理落ちと共に迫り来る、レーダーを覆い尽くすほどの敵!
みたいなプレッシャーは無くて、同じ敵が2回も3回も増援で湧いてくるという変な仕様。
序盤ステージ、1-3あたりのガンシップとの戦闘がかなり顕著で、
ガンシップ出てくる→ガンシップ全滅→ガンシップ増援→ガンシップ全滅→ガンシップ出てくる→ガンシップ全滅
という流れで同じ場所で足止めを食う場面があったりしてイライラ。
それ全部一発で出せよ。いつもなら一発で出してるんだよそういうのは。
同じ垂れ流すにしても一気にどばっと出てくるのと
小出しでだらだら出てくるのは気の持ちようが違うんだよ。
小出しでずっと同じ敵とドンパチやるのはダレるんだよ。退屈なんだよこのゲーム。


このイライラは従来とレーダーの仕様が変わっていることも影響しており、
敵位置の高度がわからなくなったのと、敵表示が常時点灯ではなくなったのが実はかなりのマイナス。
常時点灯機能が特定のクラスの特殊能力に回されたせいで、その他のクラスでは大幅にレーダー通知の頻度が落ちており、
実に5秒に1回ペースで一瞬だけ点灯という酷い有様で、
敵が地形にスタックしてこっちまでやってこないことがしょっちゅう起こりうる
ゲーム内容のイライラを増幅させる結果になっています。


シリーズとしてははじめて、いわゆるGears of War形式のクイックリロードを採用しており
これは成功すればリロード時間が半分になるというシステムなんですが
どうも今作は「常にこれに成功すること」を前提に武器性能が決められているようで、
アサルトライフルひとつとってもやけに長い4秒とか5秒とかいうリロードタイムが設定されていて
しかもアサルトライフルのような弾数の多い武器は成功判定が辛く設定されているという
意図を測りかねる仕様になっており、従来作以上に撃てない時間が多くてイライラします。
むしろどんな状況でも弾数そこそこの誘導ミサイルが不当に強いという格差を引き起こしており
基本武器のはずのアサルトライフルが完全にいらない子。
というよりは自動誘導系の兵器が強すぎるだけかもしれませんが。


リロードボタンがXボタンで変更不可というのも地味に痛い点。
Gears of WarのリロードはRBで行うようになっており、視点移動を妨げることがないように配慮されていた。
同じくGears of Warにはそもそもカバーという要素があり、敵の攻撃から身を隠す隙間の時間でリロードを行い、
クイックリロード成功時の攻撃力ボーナスで押し返すゲームデザインになっていた。
IAではどうかというと、Xボタンでリロード開始してリロードバーが中央に来た瞬間にもう一度Xボタンを押すことになる。
例えばリロードが3秒未満の早い武器ならチャッチャでリロードが終わるのでいいんですが、
リロードが5秒以上ある武器になるとX押す→視点動かす→X押す
とせわしなく右手の親指を移動することになり、まずこれがしっくりこない。
何がしっくりこないかというと、視点移動が妨げられるところ。
全方位から敵が来るのに5秒間も同じ方向向いてぼっ立ちなんてこのゲームではやってられないし
かといって右スティック以外に視点変更の手段がないので、リロードタイムに右スティックを動かすしかない。
んでクイックリロードチャンスにボタン押すのが間に合わなくって悲しい結果になる、と。


そもそもカバーで一息付けるようなゲームとは根本的にデザインが異なってるので
このクイックリロードのシステムはIAとはいまいち噛み合ってないんですが
それでもせめてキーコンフィグがあればリロードボタンを変更して違和感を軽減できたはずなんだが。


ゲームバランスは疑問符しかつかないのに
プレイ時間を引き伸ばすための施策だけは抜かりがないのも酷い点。
兵種が4クラス用意されて個性が出たところは良いんですが
武器のアンロック状況・経験値が4クラス個別に用意されており、
さらに武器のアンロックには経験値とは別にゲーム内通貨が必要で
その通貨は経験値と同額しかたまらないという素晴らしい仕様。
経験値のたまり方も非常に渋く……というか必要経験値が異常に高く設定されており
MAXレベル8なのにレベル5より先のレベル上げは苦行の一言。
おまけに武器のコンプリートには、クラスレベルをMAXまで上げた場合の通貨の
実に3倍近いコストがかかるようになっております。


武器にレベル制限があるのでこれまでのシリーズではできた
「死ぬ思いで上位難易度に特攻して良武器を持ってきて下位難易度を回す」
という行為もキッチリ封じ込まれているほか、
そもそもステージごとに入手できる経験値に殆ど差がないというステージ構成のマズさもあり
最終的には最高難易度の1-1をひたすら回すゲームになってしまっています。


演出的にも雑魚敵のヒットエフェクトが見た目・SEともに貧弱で
攻撃があたってるのか一見して分かりづらい*1とか
死亡時のピギーみたいな断末魔や死亡時の血飛沫といった演出は全スポイルされてるので殺ったった感も少ないし
特にアサルトライフルとショットガンの当たってない感は異常。
EDF3で見せた隊員同士の熱い掛け合いも殆ど無く、
「生きて帰れなかったら、これだけは言っておく。お前らやる気出せよ……」
「おいアルファ! 早くレベルアップしろよ。新しい銃がほしいんだよ!」
とかEDFらしからぬボイスがやたらと多く収録されています。


ステージ固有の会話もオプスとインテルのやりとりがほとんどで
隊員のステージ固有ボイスはほとんど用意されておらず、
むしろカバー持ちの敵はいないのに「カバーが開いたぞ! いまだー!」とか
敵影がないのに「でかい……なんて大きさなんだ……」とか口走ってみたり
詰めの甘さを感じざるを得ない。


英語の直訳だからかところどころ言い回しがおかしいところがあり、
後半オプスがインテルのあまりのプレイヤー部隊の扱いを諌める「キノコ扱い」のネタは
多分原語版だともうちょっと切れ味のある言い回しなんだと思いますが、
そのまま日本語にしたせいでオプス何いってんだこいつみたいな感情しか抱かないのが残念。


結論


これはウチの求めたEDFではない。それは確か。
物量感も、熱く、どこかユーモラスな地球防衛魂も、爽快感もこのゲームにはない。
全15ステージと少ない割に、それすら眠たい内容にしかなっていない。
直前作がこれなんだから、サンドロット謹製のEDF4がさぞかし面白く感じるだろうというところだけが
ウチにとってのこのゲームの良かったところだと思います。

*1:大型敵はエフェクトが大きめなのでそうでもない