ゲヱム日々是徒然

No VideoGame. No Life.

バーチャルボーイソフトの3DSにおけるVCは是か非か


結論:モノによる


3DSの発売が近づくに伴い、ウチの周りでも
「これを機にバーチャルボーイソフトのVC配信を」
という要望がちょくちょく聞かれるようになりました。
というか、ウチも3DS発表直後にはそんなことを申しておりました。


その後、3DSの仕様が徐々に発表されていくにつれ、
そんな欲求も薄まってきたというのが
ウチの正直な心中であったりするわけです。
これは断じて3DSへの期待が薄まっただとかいやむしろ期待はずれだったとかいう話ではなく、
純粋にハード特性として両機種を見比べてみた場合、
おそらく3DSにそのままVBソフトを持ってきてみても噛み合わせが悪いのではないかなと。


少々バーチャルボーイという機種そのものの話を致しますと、
バーチャルボーイ自身は「一人で」「立体視ゲームをプレイする」という点において
それはもうカリッカリにチューニングされたオンリーワンの機種であるわけです。


その思想の表れの一つがあの覗き込むタイプの本体にあります。
遮光カバーである「アイシェード」を装備した本体を覗き込むとそこには
4階調の赤色LEDで構築された立体視世界が浮かび上がっているのが見えます。


ここで重要なのは、プレイヤーがディスプレイサイズ等を気にすることがないという点です。
覗き込んだ目の前、視界の全てが立体視世界。
真っ暗な闇は、あたかも無限の広がりがそこにあるかのように錯覚させ、
・どこが現実と画面の境界で
・どこからが画面の奥側で
・何処からが画面の手前側か
を、物理的・感覚的に意識する必要がないという相乗効果によって
バーチャルボーイの3D体験を唯一無二のモノにしているのです。
3DSでもそうですし、3Dテレビでもよくある
「テレビの枠に近い物体の表現が破綻する」というような矛盾が
バーチャルボーイでは極力排除されています。


VBが誇る大傑作「レッドアラーム」はこのハード特性を活かしきったゲームになってまして、
このゲームにおける敵弾表現「三角錐」がこっちがわに飛んでくる迫力は
3DSでは味わえない衝撃であるとウチは断言します。
VBの全ゲームの中でもレッドアラームの完成度はちょっと突出してまして、
ワイヤーフレーム表現を使ったホログラムだと言われても一瞬信じてしまいそうな立体感を実現しています。


で、例えばそんなレッドアラームを3DSにベタ移植しても多分「フーン」で終わるんですよ。
体験会レポートでも触れましたとおり3DS立体視表現って
基本的に各社揃って「奥行き」の表現を中心にしてまして、
まして画面の枠やガラス面が明確に見えてしまってる3DSというハードを考えると
レッドアラームのその魅力や迫力の10%も伝わらないのではないでしょうか。


VBの全ゲームがそうかと言われると別にそういう事はなくて、
ワゴンの友「とびだせ! ぱにボン」「バーティカルフォース」とか
あの辺のゲームは普通にVCなりベタ移植なりでも問題ないとは思います。
ハード的な「真っ暗闇の擬似無限遠」を利用しているようなゲームは
基本的に駄目なんだと思います。


というわけで、みんな今だからこそバーチャルボーイを買おう!
レッドアラームとセットで購入しても15000円も出せばお釣りが来る!
ぶっちゃけ、レッドアラームとテレロボクサーさえあれば当面の間は大丈夫だ!!